アルテッツァについて
 

初めてアルテッツァというクルマが出ることを知ったのは、いつだっただろうか。たしか、1998 年の夏頃だったと思う。
当時は AE111 レビン後期型 (1600XZ) に乗っていた。ほどほどのサイズで扱いやすいし、高速では丁寧に走れば 17-18km/L は走ってくれたので懐にも優しく、買って 1 年半で 25,000km ぐらい走った。ただ、運転する楽しみということになると、ちょっと物足りなかったのも事実。4A-G スポーツ ツインカム (ヤマハ製 ! 5 バルブ !) のモデルにしていれば違っただろうけれど、ペーパー ドライバーを脱して初めて乗るクルマとしては、いささか剣呑すぎた。

そんな状況でアルテッツァに魅力を感じたのは、FR で 4 ドアセダンというところ。しかも、1G エンジンを積んだ直列 6 気筒モデルも出るらしいというので、ますます気が動いた。それからいろいろと情報を集めているうちに、現物が正式に発表された頃にはスペックで頭がパンパンになっていたのが笑える。

で、発売初日にディーラーに現物を見に行ってみた。サイズは AE111 と似たり寄ったりだから、家の近所の狭い道でも同じ感覚で扱えそうだったし、いかにも「走りそう」な雰囲気に魅力を感じた。後で試乗してみたら、タイヤが太いからステアリングが重く感じられたものの、全体的には好印象。目を三角にして峠を攻めるのではなく、長距離を快適クルーズしたい人だから、4 気筒の RS200 ではなく 6 気筒の AS200 がいい。AS200 なら、レギュラーガスで済むのも助かる。

ちょうどこの時期、会社を辞めて独立しようかどうしようかと悩んでいた。普通なら、フリーで仕事をしようとすると経済的不安が気になるものだから、そんなときにクルマを買い換えようなどとは思わないものかもしれない。
ところが、自分の場合は少し考え方が違っていて「こいつを維持できるようにしっかり仕事をしよう」というモチベーションになるのではないかと思った。それに、新しい世界に踏み出す自分に、ひとつぐらい御褒美を買ってあげてもいい。

もちろん、これは自分で自分の背中を押すための言い訳。独立の腹を決めるのと前後して、注文書に判を押した。1G-FE 搭載の AS200 Z エディション (4AT)、色は無難にシルバーメタリック。オプションはトラクション コントロールと純正ナビ。値引きはほとんどなかったし、AE111 の下取り査定も渋かったが、ほかでもないアルテッツァが欲しいのだから、そんなのはどうでもいい話。

納車されたのは、注文から 1 ヶ月ほど経った 1998 年 12 月の初め。納車当日に、調布の自宅から多摩ニュータウンを経て相模原方面まで足をのばして、いろいろな条件で走り込んでみた。甲州街道の轍の深いところではワンダリングが目立ち、しっかり押さえていないとステアリングを取られそうだったが、これは慣れの問題。その一方、高速を走ると、AE111 と違い、ドシッと安定していて気持ちがいい。期待通り、6 気筒の 1G-FE はウルトラスムーズで、気持ちよく回ってくれる。

いつだったか、とんでもない渋滞にはまってしまい、「やはり VICS が欲しい」ということになって、1 年目の点検に合わせて 3 メディアの VICS ユニットを追加したのが、購入後の唯一の変化。失敗したのは、バンパーの右前方下部を縁石か何かでこすって、ザックリと傷を付けてしまったこと。

先代アルテッツァの遺影

あるとき、某所の高速道路で妹 (MT のミニカトッポで疾走する神風ドライバー) に運転させてみたら、いきなり 130km/h でフッ飛ばしてくれたので焦った。妹は「(このクルマは) アクセルペダルが軽すぎる」というのだが、別の原因もあると思われる (苦笑)

このクルマであちこちに出かけた中でも、極めつけは九州まで 2 往復したこと。といっても、初回の復路は新門司から大阪南港までフェリーに乗ったから、正確には 1.5 往復か。
ちなみに、例の事故が起きたのは、その 2 往復目の帰路。あと一息で我が家という、中央道上り線での出来事だった。とはいえ、クルマがスクラップになった代わりに自分は怪我らしい怪我をしなかったのだから、このボディを設計したトヨタと関東自動車の人には感謝しなければならない。

しかしである。いくら自分が無傷に近かったとはいえ、ショックはでかい。購入から 2 年近くが経過して、19,000km ほど走り込んでいたタイミング。ボチボチ、タイヤ交換を考え始める時期で、次は REGNO を履かせてやろうと考えていた矢先だったし (最初はミシュランの Pilot Sports だった)、前の AE111 レビンと同様、こいつも北海道に連れて行ってやりたかった。それなのに、たったの 1 年 9 ヶ月、19,000km で昇天してしまうなんて。自分が昇天しなくて良かったけど…


ともあれ、事故でクルマを失ってしまったので、代わりをどうする、という話になった。ついでだから別のクルマにするという選択肢も、もちろんある。MR-S には気持ちが動いたし、レガシィ B4 やインプレッサを勧める声もあった。

MR-S :
走らせて楽しそうだけれど、実用性皆無。ときには 3-4 人乗せることもあるから、はなから 2 人しか乗れないのは困る。セカンドカーとしてなら、真っ先に手を出すのだけれど…
レガシィ B4 :
面白そうだけれど、サイズが少しでかい。それに、ターボ車は好かない。
インプレッサ WRX :
サイズはちょうどいいけれど、自分の腕と照らし合わせると剣呑すぎて、扱いきれないような気がする。

結局、またアルテッツァを買ってしまった。なにしろ「自分の命を救ってくれた」というインパクトは大きい。今度も同じ AS200 Z エディション。ただし、途中から追加された 6 速 MT モデルで、ボディカラーはブルーマイカ。ナビは Panasonic の DV3300GWD にしてみた。ナビもディーラーでまとめて注文して、取付までやってもらったので、配線がきれいに隠されているのは気持ちいい。
MT 車にしたのは「チャレンジ精神」のなせる技。ちゃんと乗りこなせるかどうか自信はなかったし、今だって完璧に乗りこなしているかというと「?」とはいえ、「とにかくやってみろ」というのが基本。現在では、直 6 + FR + 6MT という組み合わせというと、アルテッツァ AS200 と BMW M3 ぐらいしか存在しないのだし。

ただし、MT 車に乗るのは教習所以来だったから、最初はちゃんと走らなくて苦労したし、周囲にも迷惑をかけまくった。なにしろ、駐車場で発進の練習から始めたのだからひどい話で、いったい何回エンストしたかと思うと呆れる。もっとも、毎日のように走り込んだおかげで、1 ヶ月も経つ頃には "社会の迷惑" からは脱却できた (はず)。

以前、AT 車に乗っていたときには比較的穏やかな運転だったのだけれど、2002 年 4 月に「東京アルテッツァ」のオフ会におじゃまして、別の人が運転する RS200 の助手席に乗せてもらってから、走りっぷりが変わってしまった (爆) おかげで、前のクルマにも乗せたことがある女友達には「運転が変わったわねえ」といわれる始末。なんだかな。

オフ会に集まったアルテッツァ。全部 MT 車なのがさすが !


購入後に手を入れたところ

その 1。
ヘッドライトを TRD 製の HID に交換。もともとアルテッツァのヘッドライトは暗いので、HID にしたら、まさに "NOCTIS IN DIES"。今は純正オプションで HID を付けられるけれど、前期型ではそのオプションがなかったもんで…

その 2。
ETC 車載器を追加搭載。トヨタ純正品の「シルバー/ボイスタイプ」。アンテナとスピーカーが一体になっているので、音質は最悪。でも、料金がいくらだったかその場で確認できるので、この選択は正解。本体はセンター コンソールの脇に、アンテナ兼スピーカーは前面窓の上端に取り付けてもらった。

その 3。
タイヤの経年劣化が気になってきていたので、4 年目の点検と合わせて REGNO GR-8000 に換装。コンフォート系といわれる REGNO だけれど、最初に履いていたグッドイヤーのタイヤよりも、特に高速走行時の安定性が良くなった。騒音の方は「路面のいい場所ではグッと静かに、そうでない場所はそれなりに」という印象。フラットな路面では、本当にロードノイズがない。ただ、サイズは同じ 215/45R17 だから、乗り心地が堅いのは仕方ないかも。

その 4。
5 年目、二度目の車検にあわせて、イリジウムプラグに交換。何が変わったのかよく分からん (爆)



そんなこんなで、このアルテッツァ AS200 に 6 年半、スクラップになった先代も含めると 8 年半も乗っていたのだけれど。
「スキーの足に向いたクルマが欲しい」という、購入時には予想もしていなかった周辺情勢の変化やらなんやらがあり、2007/6/15 付でアルテッツァ生活は終了。次期主力戦闘機として中島飛行機 富士重工製の、レガシィ ツーリングワゴン 2.0i B-SPORT (CBA-BP5E) がやってきたのでありました。

下取りされていったアルテッツァが誰の手に渡るか知らないけれど、程度のいいクルマだし (塗装の状態なんて、7 年モノとは思えないはず)、大事にしてやってね > 次期オーナー

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