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井上孝司の Defense Column
〜 「国民のために危険な存在になる」ということ「犬と海兵隊員お断り」嘘かまことか、沖縄に行くと、このような看板があるという話を聞いたことがある。
すでにマスコミ報道で知られているように、沖縄で米海兵隊員が暴行未遂事件を起こした。未遂で済んだのはなによりだが、それでも被害者にとっては大きな傷であり、犯人の断固処罰を希望するものである。
もっとも、同じ事件を民間人が起こすと騒ぎにならず、海兵隊員が起こすと大騒ぎというあたり、背後に作為的なものを感じるのも事実だ。たとえば、本土からの観光客が暴行事件を起こしたからといって、沖縄全土で「観光客お断り」となるかといえば、そんなことはあり得ない。
もともと、軍隊というのは男社会だし、特に戦時はストレスゆえの欲求不満 (?) からか、外征先の民間人婦女子がトバッチリを食うという話は、歴史をひも解けば、どこにでもある。日本とても例外ではなかったのは周知のとおりだ。(中には、むきになってそれを否定する人もいるが)
だが、最近では女性の軍人が増えていることでもあり、セクハラ防止のための教育にも力が入れられていると聞く。それでもこういう事件が起きてしまうのは、大変残念、かつ腹立たしいことだ。
ただ、もともと在日米軍の立居振舞に厳しい目が向けられていることを考えれば、米軍側は自主的にさらなる綱紀粛正に努めるべきだし、日本側もそれを求めていくのは当然のことだろう。少なくとも建前上は、軍隊というのは「その国の国民を護るために存在する」ということになっているのだから、軍隊が国民にとって危険な存在になってしまったらおしまいだ。在日米軍にしても、当然ながら守備範囲には日本も含まれているのだし、しかも駐留経費を日本が負担しているのだから、日本の国民にとって米軍が危険な存在になってはいけないのだ。
関係者の猛省と、再発防止のための再教育を切に求めたい。
ところで。「国民にとって危険な存在」というと、軍の不祥事がもっともクローズアップされやすいが、これは何も軍隊だけの問題ではない。
たとえば、昨年の警察の不祥事だって同じことだ。犯罪から国民を護るべき警察が国民のためになっていないという現実から確固たる信頼を取り戻すに至るには、相当に長い時間が必要だろう。
特に、個人的に衝撃を受けたのは栃木県警の一件だ。あれでは、何か事件に巻き込まれても警察に行く気が起こらなくなってしまう。自分で武装して自衛しようとする人が出てこないかと心配だ。
最近、あるマンションの広告で「並びに警察があるので安心」と書いてあるものを見かけたが、思わず「並びに警察があったら危険だろう !!」と口走ってしまった。うう。 また、その他のお役所の官僚、あるいは政治家についてはどうだろうか。
そもそも、日本でもアメリカでも文民統制だから、政治家が愚劣だと、その指揮下に置かれている軍隊がどんなにしっかりしていても、使いものにならなくなってしまう。これだって、とても危険なことだ。
というのは、国家のために尽くすべき政治家が、軍に対して愚劣な指揮を取ったせいで国家と国民を危機に陥れる危険性があるということになるからだ。現に、国家ではなく自分の地元のことしか考えていない政治家が多いことを考えると、政治家ですらも、人によっては国民にとって危険な存在になっているのではないかと思う。(もっとも、選挙という制度の下では、そうした政治家を選んだ有権者にも責任があるということも、また忘れてはならない)
お役人にしても、「国民のための公僕」という建前は忘れ去られ、組織防衛と上司の機嫌だけが大切にされているではないか。そんなお役人もまた、国民にとって危険な存在であるのではないかと思う。
軍人も、お役人も、政治家も、その政治家を選んだ有権者も、各々が「自分が国民全体にとって危険な存在になっていないかどうか」を、立ち止まって冷静に反省してもらいたいものである。
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