井上孝司の Transportation Column
 〜 首都高速道路の渋滞を考える

首都圏近辺で FM ラジオを聞いている方は御存知かと思うが、しばしば渋滞情報のコーナーがあって、実はかく申す筆者自身、結構重宝していたりする。

お盆や年末年始などの自然渋滞や事故渋滞は、まだ致し方ないのではないかと思うのだが、どうにも我慢ならないのは、首都高速のジャンクションの渋滞だ。都心環状線の三宅坂や浜崎橋、谷町あたりでは、毎日のように渋滞が発生しているのは御存知の通り。

走ったことのある方ならお分かりだろうが、首都高速のジャンクションは、合流路が 1 車線しかないことがしばしばある。しかし、交通量が車線数と正しく比例しているとは限らないので、もし車線数が少ない方に流れが偏ると、そこで渋滞が発生してしまう。いい例が、4 号線が都心環状線と合流する三宅坂の渋滞だろう。

さらに頭にくるのは、その都心環状線が、他線と同様に片側 2 車線しかないことだ。首都高速の路線配置を考えてみていただきたい。首都高速というのは、都心環状線から周囲に放射状に延びた路線配置になっているから、すべてのトラフィックは都心環状線に流入するようになっている。本当に都心に用のあるクルマならまだしも、都心を通過して他の方向に抜けるクルマまでもが都心環状線に流入し、さらに渋滞をひどくしている。
いってみれば、「1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 = 1」ぐらいの無茶をやっているのが実情なのだ。


といって、都心環状線の車線数を増やすのは用地を考えると現実的ではないから、むしろ東京の都心部を「通過」するトラフィックを都心部に入れないことを考えるべきだろう。本当なら、首都圏の外縁部に環状ルートを作るのが筋というものだ。

また、しばしば報告される荷崩れや落下物。これも、狭隘で旧なカーブの多い首都高速にトラックが大量に流入しているのが一因といえなくもないだろう。乗用車が荷崩れしたという話は聞いたことがない。これも、トラフィックの改善で、多少は解決できるはずだ。

もっとも、根本的には過去のコラムで述べたようにトラック輸送を海運や鉄道にシフトするとか、首都圏への人口集中を回避するなど、本質的な対策を打つべきなのだが。


なんにしても、わざわざ高い通行料を払って駐車場状態の道路に乗り入れるというトンマな事態は、願い下げにしたいものだ。筆者は渋滞回避のために深夜に出動するという手段をときどき使うが、いつもそういうわけにはいかないのだ。