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井上孝司の Transportation Column
〜 新幹線のトンネル内壁崩落事故を憂慮する今回は最新ネタで。JR 西日本・山陽新幹線の福岡トンネルで発生した内壁崩壊事故には、肝を冷やされた。「一歩間違えば大惨事」というのは、こういうときにこそ使われるべき表現だ。現場は、500 系なら博多を出た上り列車が最高速の 300km/h を出そうかという地点なのである。
たまたま、被害に遭った列車が屋根上に空調を搭載した 0 系だったからいいようなものの、空調を床下搭載にした 300 系や 500 系、700 系だったら、天井に大穴が開いていただろう。被害に遭った車両の映像を見て、本当にぞっとした。もっとも、トンネル進入時に発生する微気圧波は 0 系がいちばん大きそうだから、0 系が被害に遭ったということなのかもしれないが…
マスコミ報道によると、JR ではトンネル内壁の点検はしていなかったという。確かに、トンネルの内壁がそれほどやたらに崩落するものではないから、点検の必要性を感じなかったのかもしれない。
が、それにしても、もし開業から 24 年間、ロクに点検をしていなかったのだとしたら、それはどうかと思う。砂の品質のせいでコンクリートの強度が劣化するという事態はビル建築などでも起きているわけだし。せめて年に数回ぐらい、目視点検ぐらいはしていなかったのだろうか。
よく知られているように、山陽新幹線の過半はトンネルだ。博多開業と同時期に施工された岡山-博多間のトンネル、特に福岡トンネルと同じ業者が施工したトンネルが、もっとも緊急の点検を要するのではないか。同じ業者の仕事なら、今回の崩落の原因になったコールド ジョイントが他にも発生していないとも限らない。
もし内壁の崩壊がレーザー走査などで検知できるものなら、そうした設備を搭載した「トンネル点検車」を作って走らせるというのはできないだろうか。それほど需要の多いものではないから、JR 東海 (可能なら東日本も) と共同で一両か二両だけ作ればよい。架線の磨耗がレーザーで走査できるのだから、内壁が崩壊しかかって凸凹になっていれば、レーザーで調べられそうに思えるが…
こんな事故は在来線でもおおごとだが、特に新幹線の場合はスピードが速いだけに念入りな安全対策が必要だ。東海道新幹線の開業以来、今まで乗客を一人も死亡させていないという記録は実に立派なものだが、僥倖に任せて記録を伸ばしたりはしないで貰いたいものである。
また、新幹線のトンネルではないが、海底トンネルという過酷な条件で、しかも設備の劣化が懸念されつつある青函トンネルも心配だ。こちらは大丈夫なのだろうか。
ところで。トンネルといえば地下鉄だが、地下鉄におけるトンネルなどの構造物の点検については、どのような規定になっているのだろうか。地下鉄の中には、もう開業してから 60 年以上経つものも少なからずあるのだが。
参考 :
JR 西日本![]()