Opinion : 現場・現物主義 (2017/12/4)
 

鉄道でもミリタリーでも思うのは、「なまじ身近なところにいろいろあって、見やすい環境が整っていると、それで満足してしまうのかも知れないなぁ」ということ。

興味・関心があっても、それが身近なところになければ、興味・関心を満足させるためには遠くに出ていかざるを得ない。もちろん、それは「ヒマ」とか「経済力」に左右される部分もあるので、一概に「遠くに出て行ける」と決めつけるわけにはいかないにしても。

実際に海外に行って、日本では見られない路線や車両や飛行機などを見る機会があると、「なんだこりゃ」となることもあれば、「へえー」となることもある。それが面白い。

実のところ、同じ日本の国内でも、遠く離れた土地に行くと、地元と違うところがいろいろあって「へえー」となることはある。そんな経験ができるだけでも面白いから、是非とも JR 線・民鉄線の全線乗りつぶしを志してみるといいと思う。

ちょっと待てコラ。


よくいわれることではあるけれど。たとえば海外に行って「日本では見られないもの」を見たり体験したりすることは、結果として自国を相対化することにつながる。同じように「○○は良い」というのでも、他所を知らずにいうのと、他所を見た上でいうのとでは意味が違う。

紙の出版物、実際に行った人からの伝聞、最近だとネット上の情報あれこれ。行ったことがない場所や人やモノやその他諸々について、知る手段はいろいろある。

もちろん、それらは「予習」の手段としては役に立つし、自分もおおいに活用している。なんだけど、実際に現場に行ってみないと分からない「空気」のようなものは確実にあるわけで、そいつは TCP/IP 経由で運んでくることはできない。

IMDEX ASIA に行ったときの「多くのメーカーの展示ブースで、日本人だと知った途端に相手の警戒レベルが下がった」なんていう話は典型例。(アメリカでも似たような経験をしてるが)

実際に現場に行ってみないと分からないことといえば。ネリス AFB の "Aviation Nation" で、地上展示してある F-22A と F-35A のところはガッチリ柵で囲ってあって、M4 カービンを持った警備兵がウロウロしている。

そこのところの、ちょっとピリピリした緊張感のようなものは、やはり TCP/IP 経由では伝わらない。あれ、生で見た上で「ローアングルチャレンジ」をやろうと思うのは、無鉄砲というか、クソ度胸の領域かも知れない。

実際、ローアングル撮影をやって怒られる人はいるわけで ()

微妙な緊張感といえば。チャンギ基地で目の前に中国のフリゲートがいて、「ここぞ」とばかりにいろいろと外からディテール写真を撮ってきた。その一部はすでに自著などでも使っている。

ただ、これはネリスで中国の人が F-35A のローアングル撮影をやりまくるのに近いものがあるから、悪目立ちしないように、さりげなくやるのに気を使った (そこか)。

日本国内にいると、「写真は撮って帰りたいけど、悪目立ちしないように、いかにさりげなくやるか」なんてことに神経を使う場面は、(一部の稼業を除いて) まずないと思われる。海外で他国の軍艦を相手にすると、それがある。無事に離脱したときはホッとした。

それでも、現場・現物を見ることの面白さ、楽しさ、仕事上のメリットには代えられない。だから、いかにトラブルを起こさずに釣果を持ち帰るか、と腐心しながら、いろいろ工夫をするのであった。


なにもそこまでチャレンジングになる必要はないけれど。それでも、機会と時間と費用をなんとかできるのであれば、できるだけ (国内外の双方で) あちこち出かけて、現場や現物を生で見る機会を作るに越したことはない、とはいいたい。

ハードルが高いなあと思ったら、最初はツアーが組まれているようなところから始めたっていいのだし。昔と比べると、ネット予約が一般化したおかげで「行ってし魔王」は降臨しやすくなったけれど、バラで個人手配すると、やはり若干の経験とノウハウが要る。

ただまあ、海外に行って見聞を広めた後で、海外かぶれになるか、海外嫌いの攘夷の志士みたいになるか、間でバランスをとれるかどうかは「本人次第」であるわけだけれど。

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