Opinion : 凍結考 (2018/2/26)
 

なんか最近、Twitter のアカウントが凍結されたとかどうとかいう話題が賑々しいように感じられる。自分は、そういう目には遭っていないけれど、駄洒落と馬鹿話が多くを占めているから当然か。

ただ、「本当に凍結に値するか」という判断は簡単そうで難しい。単純なところだと、NG ワードをいくつか指定して (その内容は非公開にしないと意味がなくなる)、それに引っかかる投稿があったら凍結対象にする、という手が考えられる。

もっとも、一発で即アウトにするか、何回かカウントしたらアウトにするか、は議論の分かれるところかも。

ただ、この手は簡単そうで簡単ではない。たとえば「死ぬ」とか「殺す」とかいう言葉は、人間が相手のときに限らず、ハエハエカカカやゴキブリが相手でも使うし、コンピュータのソフトウェアが相手のときにも使う。

IT 業界の関係者なら、プログラムが「死ぬ」とか,プロセスを「殺す」とかいう表現は普通に使う。だいたい、プロセスを「殺す」ためのコマンドが kill という名前だったりするわけで。


それに、特定のキーワードが NG ということになれば、それをかいくぐろうとする工夫がなされるのは今も昔も同じ。「死ね」が「氏ね」に置き換えられた時代を御存じの方なら、これ以上の説明の必要はないはず。

ただでさえスラングや隠語が飛び交いがちなのだから、分かりやすい「NG ワード」で引っかけようとしても限界はある。背景事情は違うけれども、中国のネチズンも同じように、言い換えなどの工夫をしているわけで。

では、機械的にピックアップして凍結するのがダメなら、人為的に判断するのはどうか。これはそもそも、そのために投入するマンパワーがべらぼうなものになって引き合わないという問題がついて回る。

それに、人為的に判断するということは、個人の主観に左右される部分が出てくる事態を避けるのは難しいということでもある。同じような文面、同じような書き込みでも、「これぐらいなら OK」と判断する人も「これは NG」と判断する人もいる、という事態は間違いなく起きる。

そこでできるだけバラツキをなくそうとして「ガイドライン」(not SA-2) みたいなものをこしらえてはどうか。でも、それであらゆる事態に対応するのは不可能な相談だから、どこかで破綻する。

それに、機械的にやるにしろ人為的にやるにしろ、なにがしかの基準はあるわけで。そうなると、基準を悪用して、気に入らないアカウントを意図的に通報して凍結に追い込もうとする人も出てくる。これも不可避。

結局、どういう方法をとるにしても、完全な解決策というのはあり得ないんじゃないかと思われる。


身も蓋もないことをいってしまえば、そもそも Twitter にしろ Facebook にしろ mixi にしろ、「言論空間」だとみなして議論を闘わせるところに、根本的なズレがあるように思える。

議論の場として適しているか、それによってどれだけ世論を動かす力を発揮できているのか、という話は無視して、そのとき、そのときでナウいプラットフォームに飛びついく人は、いつの世にもいるのだけど。それこそ、パソ通の時代から変わらない傾向。

ただ、本気で世論を動かそうというなら、パッと投げてパッと流れてパッと忘れられるタイプのプラットフォームじゃなくて、もっと持続的に「記事が残る」方法を使う方がいいと思うんだけど。そうしないと、きちんとした論旨展開だってできない。

で、議論の場だと思ってバトルを開始して、ネットバトルにありがちな「議論で勝つことよりも相手に勝つこと」という展開を経て「気に入らないやつは消してしまえ」という流れになるのでは、「なんだかなあ」といわざるを得ない。

あるジャンル、あるいはある個人の発言を見たくなかったら、ミュートでも個人的 NG ワード指定でもすればいいじゃないの。それで自分の TL は静かになる。

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