Opinion : その場で勝たなきゃいけないとは限らない (2018/4/30)
 

ビジネスでも戦争でも何でも、常に自分 (または自陣営) にとって有利な状況ばかりというわけではなくて、ときには不利な状況に立たされたり、敵対勢力やライバルが出現したりする。

その場で直ちに敵対勢力やライバルを叩き潰せれば話は簡単だけど、常にそれができるとは限らない。戦力の逐次投入というのは往々にして愚策なわけで、十分な戦力を整えて、戦機を見て襲いかかる方が良いということもある。

だから、旗色が悪い情勢のときに「とりあえず頭を下げてやり過ごす」「とりあえず死んだふりをする」方が良いということもあり得る。もちろん、常にそうなるとは限らないので、そこは見定めというか、見極めが必要になるのだけれど。


なんでこんなことを書いたのかというと、ことにネット上での議論… というか、有り体にいうとバトルが勃発したときに、「とにかくその場で勝とうとする」人が多くないかなあ、という印象があるから。

もちろん、あらゆる事例を調べて統計を取ってみたわけではないので、あくまで「自分が見た範囲の印象」の話であり、そこのところは承知していただきたいのだけど。

不用意な発言とか、思慮の足りない発言とか、「それをいったら炎上するでしょ」という類の発言をして、まともなコメントや、いわゆるクソリプが殺到した場合。そこでせっせと反撃にこれ務めるのは本人の自由だけれど…

…反撃した結果として却って墓穴を掘ったり、反撃しているうちに論旨がしちゃんかちゃんになったり、反撃しているうちに話がまるで別の方向に逸れていったり。なんていう事例、ありがちじゃなかろうか。

炎上してなくても、似たような話はある。「とにかく自分が嫌いな○○を叩きまくる」ことに血道を上げている人は上下左右に関係なく存在していて、中には「自分が嫌いな○○を叩くために Twitter を始めました」なんて人までいるらしい。お疲れ様。

でも、(これは以前に書いた話と被るけれど) 明けても暮れても、朝から晩まで、自ら「○○叩き」の発言ばかり繰り返したり、「○○叩き」に通じる、あるいは「○○叩き」に役立ちそうな発言を拡散してばかりいるのって、傍から見ていて疲れません ?

なのに、それをやるのは「とにかくこの場で勝とうとするから」じゃないかと思う次第。数撃ちゃ成果が出るとは限らないと思うのだけれどなぁ。

と書いている自分も、たとえば国税と大喧嘩した身であるけれども。だからといって朝から晩まで国税をぶっ叩くような発言ばかり繰り返しているかというと、そうではないのは御存知の通り。

当節の情勢なら、それこそ「戦機」じゃないかと思う人はいそうだけれど、当の本人がそう思っていない。

何かに、あるいは誰かに忖度して、叩き発言を差し控えているわけではない。そりゃまあ、何かイベントが発生すればやるかも知れないけれど、最高裁まで話を上げた挙句に放置プレイされている現状では、ねえ。

それならこっちも放置しておく。それだけの話。今、ここでバタバタ、ワアワアやって、それで成果があがるとは思えないから。


ネットバトルの場合、かつてのパソ通時代と比べるとスピード化しているというか、「常に相手が自分の投稿を見ていて、即レスしてくるのが当然」という前提で動いている人が増えてきたのかも知れない。

となると、即レスに即レスを返してその場で直ちに決着をつけよう、という考え方になっちゃうんだろうか。その場でやり返さないと負けたと思われる、とか。

でも、実のところは「ネットの噂も 75 時間」なわけで。スピード化している昨今ではなおのこと、話が忘れ去られるまでの時間も短くなっているように思える。3 日ぐらい経ったら、絡んできた当の相手がもう忘れていて、別のところに行っちゃった、なんてこともあり得そう。

その場でやり返して勝とうとするだけが能ではなくて、とりあえず頭を下げてやり過ごしておいて、「これならいける」と戦機が来たところでおもむろに襲いかかってやり返したって、別に構わないと思うけれど。

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