Opinion : 外部塗装をめぐる徒然、というか愚痴 (2018/5/14)
 

鉄道車両でも民航機でも、外部塗装というのは重要な要素。イメージ作りというだけでなく、「識別」という意味もある (車体色を路線別のラインカラーに揃えているのが典型例)。

利用者からの注目もあるが故に、外部塗装を決める際にはさまざまな検討がなされるのだろうけれど。それに関して、一人の部外者として思っていることを書いてみよう、というのが今回のお題。


外部塗装をどうするかは、事業者から利用者に対してメッセージを送る手段というか、ひとつのコミュニケーション手段でもあると思われる。それだけに、外部塗装の色や塗り分けを決める際には、さまざまな思惑が入ってくる。

それはいいのだけど、1990 年代以降ぐらいからだろうか。「メッセージ過剰」の気が出てきているように思える。ひらたくいえば「あれもこれも」と欲張ってしまうという意味。

それで、多色・複雑な外部塗装のものが出来上がり、華々しく発表される。それはいいのだけど、後になって別の外部塗装にコロッと変わってしまうこともある。会社が別の組織に変わったのならまだしも、そうでなくても変わる。

そして、往々にしてシンプル化する。単色化が極めつけだけれど、そこまでいかなくても当初よりシンプルになるのはありがちなパターン。

飛行機だと、ペンキも機体重量のうちだから「無塗装あるいはシンプルな塗り分けにして軽量化」というのも分からないではない。そういえばひと頃、アメリカン航空が銀ピカの機体を飛ばしていたけれど、あれって無塗装だったっけ ?

鉄道車両でも、使用する色が増えたり塗り分けが複雑になったりすれば、それだけ塗装工数が増えるのは同じこと。現に、「色数が多い分だけ、他系列と比べて全検の日程が長い車両」は実在する。

塗装作業に手間がかかった極めつけといえば、500 系 V2 編成であることは論を待たない。JR 西日本テクノスが頑張ったのだ。

もっとも、飛行機だと再塗装の度に既存の塗装を剥離するみたいだけど、鉄道車両は上塗りなので、全検に入る度に少しずつ重くなっているはず。と、それは本題から外れるので措いておくとして。

要は、あれこれと「盛り込みたい要素」をリストアップした後でブラッシュアップして、「持続できるシンプルな塗装」にできないのかなあ、という話。その方が長続きして、結果的にイメージの定着に役立つと思うのだけれど。

その極めつけは、いわずと知れた阪急。そして東海道新幹線。後者の場合、100 系から地色が白味の強い方向に変わっているけれど、全体的なイメージは変わっていない。終始一貫している。

そういえば小田急の通勤車も、車体材質が変わって無塗装になった後も基本的なパターンは崩していないので、これまた終始一貫している。ケイプアイボリー地にロイヤルブルーの帯は 5000 形が登場したときからだから、もう 50 年近くになる。


かと思えば、一方では「イメージチェンジのために新塗装導入」といったのに、その新塗装が行き渡るか行き渡らないかというタイミングで、また「イメージアップのために新たな塗装を」という事例もあったような。

こうなってくると、バブルの頃から頻出するようになった CI = Corporate Identity って何なんだろうと思ってしまう。本当に Identity の確立・定着になっているのかどうか。

運輸業だと、目に付きやすい「外部塗装」が問題になりがちだけど、その他の業界でも、ロゴをコロコロ変えてる会社はありそう。

もちろん、複雑な塗装パターンにしろ塗装やロゴをコロコロ変えるのにしろ、「安直に決めている」訳ではなくて、あれこれ思案・検討した結果ではあるのだろうけれど。でも、外から見ていると、「なんか安定しないなあ」と思うことはある。

すみません。愚痴でした。

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