Opinion : カリカリベーコンの話からあれこれと (2023/11/13)
 

ついったに、なんとなく「アメリカで食ったカリカリベーコンとオレンジジュース」の話を投稿したら、過去最高のインプレッションを叩き出して目が点になっている。まあ、インプレッションが多いとか少ないとかいうのはどうでもいいんだけど、アメリカのベーコンが好きな方が結構いらっしゃるんだなあと。そこが面白かった。

ただ、この手の投稿がバズってくると、だいたい日本語が読めない人が出てきて「日本のベーコンはダメだってぇのか」みたいな噛みつき方をする可能性が、ちと懸念されるところ。「アメリカのカリカリベーコン、日本ではお目にかかれないのよねぇ」というだけの話で、それ以上の話でも、それ以下の話でもないのに。


それはともかく。海外に行って面白いことのひとつは、この食文化の違いというか、食うモノの違いというか。1960 年代の末期ぐらいだったかに NHK の海外取材班が手掛けた、確か「食生活と文明」という本が実家にあって、これがなかなか面白かった記憶。まだあったら分捕ってこようか。

別に、どの国の食い物が優れているとか劣っているとかいう話ではなくて。それぞれの歴史や文化に根ざした食生活や食文化があって、その違いが面白いという話なので、お間違いのなきよう。

ボストンのシーフード屋で、メニューに "Oshizushi" とあったので「これは絶対に想像もつかないやつが出てくるに違いない」と踏んで、ネタ枠で注文してみた。そしたら本当に「日本人が考える押し寿司」とは似ても似つかぬものが出てきたけれども、それもまた、面白い話のひとつではある。毎日食いたいですかと訊かれたら、「うーん」といわざるを得ないにしても。

そこで「これは、押し寿司というものを冒涜していて怪しからん !」などと吹き上がる必要はないと思うのだ。我が国にだって似たような話はあろうし。そこはお互い様である。

そのお店の名誉のために書いておくならば、クラムチャウダーはうまかった。さすがボストンである。そういえばローガン空港では、ロブスターのぬいぐるみ (!) を売っていた。

フォートワースで、地元の方に「地元で人気の BBQ 屋」に連れて行ってもらったら、「ああ、やっぱりアメリカの連中は肉の食べ方を知ってるな」と思った。カールスクローナの某所で、でっかい豚肉の塊と格闘したときには、「寒冷地だとこれぐらい食わないと馬力が出ないのかなあ」と思った (全部食べきれなくてごめん)。

コックムスの方と話をしていたときに、雑談のネタに困って「スウェーデンでポピュラーな食べ物って何ですか」なんて話を振ったこともあった。とりあえず食い物の話なら無難であるし、国によっていろいろ違いがあるから話が盛り上がるし。

そのスウェーデンでは、ホテルの朝飯で「自分でパンを切ってハムとチーズを挟んでサンドイッチにする」のが、ひとつの典型であるらしい。そこで黒パンを切ったらポロポロになってしまって頭を抱えたけれど、それもひとつの経験。

そんな調子だから、数ヶ月前にも書いたように、旅先で地元のスーパーやコンビニを覗いて「民の竈をあらためる」のが楽しい。もちろん、有名レストランで美味しいものを食べるのも楽しいけれど、地元民が日常的にどんなモノを食ってるのかを見るのも、また楽しい。

そういう意味では、家具を売る傍らでスウェーデン レストランを併設している IKEA のやり方は面白い。


なにも、「これをもって異文化交流でござい」なんて大上段に振りかぶるつもりはない。ただ、知らない世界があることを知るのは楽しいじゃないの、という話になるのかなと。海外まで行かずとも、日本国内でも同じような話はいっぱいある。

そういう意味では、在日米軍の人が日本に住んで勤務して、日本の食生活の一端を知るのも。あるいは逆に、うちら日本人が米軍基地の一般公開に行ってアメ食に手を出すのも。どちらもひとつの相互理解にはなっていそう。そういうのを通じて、多少なりとも互いの「顔が見える」ことになるだろうし。

とはいえ、米軍におけるお約束のひとつ「アイシングもりもりのケーキ」を食べると、舌がもげそうになるのは事実 (ぁ

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