Opinion : 個別の事象より流れを見るということ (2026/1/26)
 

ウェポン システムに限らず何事でも、単品の能力・性能などについて見て終わり、ではなくてシステム全体で考える方が良いのでは。というのは、以前から何度も繰り返している持論。

それはたとえば、最近になって話題の「ベネズエルのへっぽこ防空システム」でも同じこと。中国製レーダー・単体の話だけで上げたり下げたりしていても駄目で、それも含めたシステム全体で考えないといけない。

で、今回のお題はまた別の、↑ とは似ているような似ていないような話。


「装備品単体」だけにフォーカスして見るのはいかがなものか、という話があれば、出来事・物事についてもやはり、個別の事象・単体にフォーカスしてしまうのはいかがなものか、と。あっ、いきなり結論を書いてしまった。

起承転結という言葉があるけれども、たいていの物事って、それ単独で存在しているわけではなくて、何らかの「流れ」の一部なんじゃないのかと。

そうなると、個別の事象を見て個別に反応して、ワッと盛り上がって騒いで、その後は「ネットの噂も 75 時間」で忘れ去って次の話に行ってしまう… それでええんか ?

誰かが何らかの目的を達成しようとして、駒を配置したり動かしたりする… その行為はすなわち、ひとつの「流れ」であるわけで。とすると、その中の一部だけ見ていても全体像は見えてこないし、それがどういう方向に向かっているのかも分からない。

レーダーだって、捕捉したターゲットをしばらく連続的に捕捉追尾して、それでようやくターゲットの針路や速力が分かるんである。

どこかで書いたことがあったと思うけれど、実は対レーダー ステルス技術のキモはその点にあって。連続的な捕捉追尾を妨げれば、探知目標の針路・速力が分からない。一瞬あるいは短時間、はたまた断続的にブリップが現れるだけでは、状況が見えない。

ということはですよ。世の中のあれこれの物事にしても、はたまた心理戦とか世論工作とか情報戦とかいった類の話にしても、似たようなことがいえませんかね ? と。

つまり。意図的に、対象となる人とか組織とか社会に対して、断続的に個別の事象だけ出して個別に反応させるにとどめることで、全体像が見えないようにする目くらましを仕掛ける… なんてことが起こり得ませんかね ?

もっとも、意図的なのか、偶然なのか、はたまた健忘症なのか、過去と現在とで (ブレるぐらいならまだしも) 真逆のことを平気でいいだしては、過去の "digital tattoo" を突きつけられている人もいるみたいでありますが。

でもこれは、連続的・長期的に定点観測しているからこそ、過去の矛盾する発言をほじくり返すことができたわけでしてね。


つまり、個別の事象に個別に、打ち上げ花火的に反応して後は知らん… よりも、ちょっと視座を上げて即座の反応を抑制して、しつこく長期的に定点観測して、そこから全体的な「流れ」をいぶり出す。そんな向き合い方が求められるんじゃないですかと。

もっともこれ、ことに昨今の SNS 業界の空気 (何事にも瞬間湯沸かし器的な反応が見られる) とは相容れない話であるのだけれど。でも、それが必要なんじゃないですかねえと書いてみる。

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