税務訴訟 [Round.3 : 税務調査の攻防を実況中継]
 

とかなんとかいっていたら、11 月下旬にアメリカから帰ってきたところ、武蔵府中税務署から「お尋ね」葉書が来ていた。要するに、「税務調査のために出てこい」という内容のものである。それを受けて、11 月 29 日に武蔵府中税務署に出頭してやりあってきた内容が、以下のもの。

こちらの突っ込みに対して、次々に出てくる苦しい言い訳と矛盾しまくった発言の数々に加え、その論旨の穴だらけなことときたら、さながら "ピッコロ・チューブ" の如し。

応対したのは、武蔵府中税務署・個人課税第 5 部門の「佐藤 広」と名乗る人物である。


佐>
それでね、勤めてらっしゃるときにですね、あのー、同じ社員の方で、一時所得で申告してる方と、給与で申告してる方と、まあ、譲渡がある方と、譲渡で申告してる方とか、いたというような話は聞かれました?
井>
いやー、特に聞いてないですね
佐>
仲間内では話は出なかったということ?
井>
制度的には、あのー、お互いに「権利の有無」ってのは他言しないことになってるんですよ
佐>
何人か面接してましてね、あのー、仲間内で話をしたんで、あのー、話を聞いたときに、それで、自分なりに判断しましたという方もいらっしゃったんで
井>
あー、私の場合はそうじゃなかったですね
佐>
井上さんの場合は、誰にも聞くとか、あのー、指導を受けるとか、ということはなかったですね
井>
なかったですね。まあ、社内的には、その、こういう (社内で作成された社員向けの) Web に載ってるからということで、それを参考にして終わりですね
当局としては「自分で勝手に判断した」という言質を取りたかったのではないかと思われる。そうすれば、「申告の間違い」と称する理由も立つというものだ。
佐>
(権利付与が) 何回もあったわけですかね
井>
どうだったかなぁ… そんな、毎年、頻繁にもらってたような記憶はないんですけどね。そんな多くはなかったですね
佐>
まあ、10 回とか 20 回とかっていうことじゃなくて
井>
そんなことはないです
佐>
4〜5 回とか
井>
もっと少なかったと思いますよ。私、不良社員でしたからね
佐>
(苦笑)。まあ、自分ではそう思ってるか分からないですけれども、会社の方では貢献度が大きいから、金額的にも、株数的にも、たくさんの株数が付与されたんじゃないかと思いますけど
井>
それは推薦状を書いた上司に聞いてください (怒)。本人がいうことじゃありませんから
「よく働いたからたくさん権利を付与されて、いっぱい給与が出た」という言質を取りたかったのではないかと思われる。しかし、私が不良社員だったのは事実だ (苦笑)
佐>
それで、まあ、こちらのね、内容について確認できれば、一時所得でいいのかということと、給与所得になるのかということと、譲渡所得になるのかということを検討したいと思って、こういう書類を上げさしてもらったんですけどね
井>
具体的に、そういう判断基準っていうのは、一応、何か criteria があるわけですね、署内的には
佐>
いやー、そのー、あのー、形態によりましてね
井>
ほう
佐>
取引の形態によりまして、その、譲渡所得になったり、給与所得になったりという区分けはできるんです。所得の区分ですよね。で、まあ、一時所得ということは、現在の、我々の扱ってる段階では、該当するものはないんです
「現在の」といったな? 過去はどうだったんだい !?
井>
ただ、その、少なくとも私が信ずるところによればですね、会社の人事だか経理だか知りませんけど、「一時で OK」と書いて社内に出していたということは、それなりの evidence があってのことだと思うんですよね
佐>
それを、あのー、井上さんの方で参考にしたということであれば、私どもの方としては、それを見て、どういう過程からそういう話が出たのかと、そういうことを調べなくちゃいけないんですね。それで、その書いてある内容が一時でいいのかという判断はできないんですね。今、ここでは資料がないですからね。それで、社内でどういうものを発行されたかが分からない状態では、一時でいいですという話はできないです
なんにしても、現在の方針として「給与にしろ」と上から言われてるから、過去の行きがかりはどうあれ、「一時でいいと認めていた時期があった」というのを認めることはできないという訳だ。宮仕えは辛いねえ。そうまでして出世したいかね。
井>
参考までにお伺いしておきたいんですけど、「給与」の定義って、何なんでしょ?
佐>
「労働の対価」です
井>
てことは、まず「労働」があって、それに対して支払われるものってことですよね
佐>
そういうことです。ですから、どういう形でもらうか、たとえば、給与、まあ金銭でもらうのが通常の形態ですけど、現物でもらう場合も考えられるわけですよね。まあ、株の場合も、株式の、そのー、値上がりを見込んでその株を、権利を付与するわけですけど、その時点では課税関係は出てこないわけですね。付与した時点ではね。
で、売って利益が上がった時点で、初めて、その人の収入となるわけですから。その時点で得た収入が、「労働の対価」か「賞金が当たった一時的な収入」なのかで、そういうことで、給与所得か一時所得かっていうのが分かれるわけなんですね。ですから、井上さんの場合には、「労働の対価」としていただいてるわけですから…
ほほー、私の勤務内容や権利付与の状況を調べずに「労働の対価」かどうか判断できるとは、さすが、世界に冠たる優秀な日本のお役人は違う。要するに「神の目」を持ってござるというわけだ。こりゃすごい。
井>
と、判断される根拠は何なんでしょう?
佐>
ですから、報酬という、だから、その (権利付与時の) 契約の中身を見ないと、そういったことは断言できないわけですね
おいおい、ほんの数秒前には「労働の対価」だと断言したじゃないか。ウソツキ。
井>
これ、確認しておきたいんですけど、「給与」とみなされるのはどのタイミングになるわけですか? 権利を付与したタイミングなのか、権利を行使したタイミングなのか
佐>
行使した (タイミングです)
井>
なるほど
佐>
したがって、これは、支払いの形態は違いますけれども、「労働の対価」の報酬に変わりはないわけですから。一時所得にはならないという判断をしてるわけですね
なんだよ、ほんの数秒前には、契約を見ないと「労働の対価」かどうか断言できないといってるぞ。舌の根も乾かないうちにコロコロ言い分が変わって、どっちが本当なんだ ?
井>
ただしね。たとえば、非常にこれ、世間では誤解が多いようですけどね。
株式が必ずね、株価が永続的に上昇するっていう保証はないわけですよ。で、たとえば、最近そういうケースは多いと思うけれども、権利付与されたときに比べると、株価急落で額面割れを起こしているなんていういうケースも、まあ当然あるわけですね
佐>
ありますね
井>
となれば、それは得られるはずの収入が得られなかったということで、一種の「給与の不払い」という解釈は成り立つわけですよね。どっちかというと、これは「蛇足」ですけど
佐>
給与の不払い…
井>
ええ
佐>
だから、その、契約書ではどういう契約になってるか、それもありますわね
井>
しかし、行使するには「権利の付与」がなければいけないし、結果的には「権利の付与」まで遡らないと、報酬が発生する理由がないわけですよね
佐>
… ま、(権利の) 付与が発生の事由ではありますね
どうやら、過去にこういう反撃を食らったことはないらしい。この人、私のサイトの内容は見ていないようだ。しかし、これはまぎれもない事実である。

そして話は、いよいよ佳境に入る。

佐>
それじゃあ、あの、先ほどお話ししましたようにですね、あのー、ストックオプションの場合の税金の関係は先ほどお話しした通りの内容でこちらは見ておりますので、あのー、「一時」ということはない、という考え方です
井>
えーと、それは、いつからそういう考え方になったか、参考までに聞かせてもらえますか?
佐>
それは私が、あのー、ま、入る前っていうか、この仕事、従事する前からですので、あのー、何年にできた法律かっていうことは、ちょっと調べなくちゃいけないですけどね。まあ、法律でストックオプションについて記載したものはないんですよ。たとえば、所得税法何条に、ストックオプションの場合は、こういうケースの場合は給与で、こういう場合は譲渡というような、明記したものはないんですね
その一言が聞きたかったのだ !
佐>
ただし、給与所得の規定っていうものはあるんですね。その場合は、最初に御説明したように、「労働の対価」であると。で、「一時」の場合には、「労働の対価」を伴わない、賞金とかね、そういったものの、一時的な所得であると。それぐらいの内容でしか、法律では書いてないわけですね
はい、そこで問題です。
とにかく会社を辞めなければ、業績評価が悪くても、病気で休みがちでも、極端な話、休職してたってストックオプションの権利は剥奪されないから、それを行使した場合はどういう扱いなんでしょうねえ。働いてなくても「労働の対価」が入ってくる可能性があるっていうのは、ヘンではないのかなあ。

だいたい、「収入を得るタイミングや得られる金額が、本人の判断に依存する給与」なんてものが、存在し得るのかしら? それではまるで、白紙の小切手を切るようなもの。だいたい、行使するタイミングが本人の自由なんだから、「いつからいつまでの労働に対する対価」という定義も不可能なのだ。そんな「給与」の出し方があるものか。

井>
いや、あの、これは小耳に聞いた話なんで、現物見たわけじゃないんですけどね、東京国税局のどこかのなんたら課長とかいう人が、昔、何か手引書を作ったって話を聞いたことがあるんですよ
佐>
いや、あの、「手引書」っていうのはね、毎年、あのー、「大蔵財務協会」というところから、そこで出してるんですよ。確定申告の、あの、直前にね
井>
それって、どこで入手できるんですか?
佐>
市販されてます
井>
どこの本屋に行くと売ってます?
佐>
どこの本屋でも売ってるでしょうけど。参考に持ってきましょうか?
井>
いいですいいです。それには及ばないです。まだ、話の本題は、そこまで行ってないんで。
で、そこでね、「かつて『一時所得』との解釈が示されていた」という類の記事を、私、どこかで読んだ記憶があるんですよ。今の話か過去の話か分かんないけれど
佐>
それは、何年ごろかっていうのは分かりません? あのー、「手引き」にね、書いた時期が分かれば、まあ、10 年以上前だったらもう分かりませんけど、ここ 4〜5 年の間であれば、まだ、その「手引書」ありますから、それを見れますけども。
で、我々も、条文もそこに書いてありますんでね。あのー、税法をいちいち開くよりも、ま、見やすくまとまってる、説明してありますから、それを参考にして、あのー、仕事に使う場合もありますね
井>
なるほど
佐>
だから、3 月のときの、確定申告用として「所得税申告の手引き」ってのはあるんです
井>
それは、毎年出ると
佐>
そう。毎年、変わり、中身は変わりますからね。で、変わらないところは、そのまま、同じような内容で、また載ってくるわけですね。だから、どんどん、厚くなってはきますけども、あのー、変わるときには、改正は、法の解説付きで出てますね。
で、それは、「一時所得でもいい」っていう、何かに書いてあったってことですか?
井>
ええ、そのなんたらの手引書、正確な名前は覚えてないんですよ。何かの手引きで「一時所得」との解釈が示されていた、という (記事を)、過去のニュースを当たったときに読んだような気がするんで
佐>
じゃあ、それには「なぜ一時所得か」ということも、多分、書いてあったと思うんですよね
井>
おそらく、そうでしょうね。私はあいにくと現物を見ていないので
ちなみに、この話のネタ元は去年の日経ビジネスの Web サイトの記事で、「東京国税局の課税第 1 部所得税課長が著す『所得税確定申告の手引き』で『一時所得』との解釈が示されていた」とあったものである。
佐>
じゃあ、それは、どなたかから聞いたというようなことはありますか
井>
いや、聞いてないです
佐>
そのー、井上さんが申告するに当たって、ストックオプションの申告の方法を誰かに確認したとか、指導を受けたとか、電話で相談したとか、そういうことは一切ないということですね
井>
ございません
佐>
たまたま、会社で出した、その、なんですかね、チラシっていっていいのか
井>
まあ、「電子チラシ」ですかね
佐>
そうですね。それで、見たことが、その、一時所得で申告するきっかけだったということでしょうか
井>
そういうことですね。まあ、人事が社内向けに、こう、人事だったか経理だったか、どっちかでしょうね。多分、そのどっちかが社内向けに出してる内容でそうなっていたんだから、それなら間違いあるめえ、と、そういうことですね。で、それで出して、特に物言いもつかなかったですからね
佐>
それは、9 年の、申告の… 9 年・10 年の申告の、9 年の申告の前って話ですよね
井>
いやいや、「前」じゃなくて、だって、私がこれ (ストックオプション) にかかる申告書を出したのは 98 年以降ですから
佐>
んー、だから、その、「3 月以前」でしょ? 9 年分は 10 年の 3 月に出されたんでしょ? これ以前でしょ?
井>
だから、これが最初だから…
佐>
これ以前に、その話を知ったということですね
井>
「これを書くときに知った」というのが正確なところですね
佐>
これを申告するときに、その、あのー、会社が出してるものを参考にしたと
井>
そういうことです
ここで、タイミングに執拗にこだわっているところから見て、この間の時期に何か、知られると当局にとって都合の悪い事実、たとえば「一時→給与」という解釈の変更があった可能性が高そう。
井>
で、特に物言いもつきませんでしたからね、そのとき。どこからも
佐>
んー、これは一応「申告」ですからね、あのー、申告する時点では、あのー、申告の仕方が間違ってるとか、間違ってないとか、っていうことは、表面上は分からない状態のものについては、あのー、何もいいません。
たとえば、あのー、「扶養家族の計算が間違ってる」とかね、あのー、一見して分かるようなものであれば、ここはこう直したらどうですか、っていうことはお話ししますけど、この中身が違ってるってことは、あのー、指摘できませんからね、その時点ではね
井>
ということは。まあ、仮にですよ、仮に、あの、まあ、当時から、あの、当局が「これは給与だ」といっていたとしますよね。ということは、こっちはそれを知らずに「一時」で出して、あとからペナルティを食らうっていう事態が発生するわけじゃないですか。いや、なんか、もちろん当局から…
佐>
修正すればそうですね (井上注 : 意味不明な発言だぞ)
井>
「指導」があれば、「ああ、そんならそうか」ってんでこっちは出しますけど、特にそういうのが当局から来たって記憶もないですし、ということは、ちょっとそれは、「腑に落ちないもの」があるんですけどねえ
佐>
それでね、これ見ただけでは、あー、給与になるとか、あのー、一時になるとかっていう判断はつかないでしょ?
井>
まあ、金額だけ見たらそうですね
佐>
これについてね、こういう「説明書」的なものがあれば、それを見て「ああ、これは一時じゃなくて給与だ」っていう、判読ができるでしょうけどね、あのー、受け取った金額をそのまま書かれただけだというお話ですから、そこまでは、その、申告書の中からは読み取れませんよね。で、井上さんの場合は毎年、この、金額だけ出されてるでしょ?
井>
そうですね
佐>
ここもそうですよね
井>
ま、その辺の内部事情をこちらは知らないですから、出して物言いがつかなければ、それでいいんだと思いますからね
佐>
で、税務署の方は、計算過程に間違いがなければ、それで通るわけですね。申告書としては有効なわけですね。ただ、「申告に対する調査」というのがあるわけです。所得税の調査という。それに基づいて、我々は井上さんに、この申告の内容について聞きたいという、資料を出してくださいと、そういうことに変わるわけですね。
それが、1 年後か、2 年後かっていうことは、関係ないわけです。その、通常であれば 3 年間遡って、調査の、あのー、調査・検査ができることになってますので、で、「不正な行為」があれば、7 年間の調査・検査が遡ってできる、ということになってるわけです
井>
えー、ちなみに「不正な行為」とは?
佐>
たとえば、えー、架空の人件費を計上するとかね、まあ、あの、税金を意図的に少なく納めようという申告をした場合ですね
井>
んー、まあ「意図的に多く申告」というのは、あんまりいないと思うけど
佐>
だから、「不正な行為」ということで、7 年間ということで、まあ、あのー、昔は 5 年間だったんですけどね、それが延びたわけですよね。それだけの、調査ができるということを、我々としては、あのー、仕事として、あの、権限を与えられているわけですので。そのー、内容について、検査できない状態で、申告を受け取ってるわけじゃないですから、それが、その、10 年の申告を 11 年に出して、3 月に出したから 4 月に即・調査、ってことは、まずないわけですよね
井>
まあ、一定のタイムラグがあくのはデフォルトである、と
佐>
で、井上さんがね、不正に申告してる、という意味でいってる訳じゃないです。この「一時所得」の計算がこれでいいのかどうか、っていうことで、それが給与所得になる、なるのじゃないのか、ということを判断したいということが、こちらの調査の理由ですから
「不正に申告してる」ってことにすれば確定申告書の時効が延びるから、当局としては、「不正な申告」ってことにしたいだろうけどね…

そして、税務署員に言葉を失わせた、あの「一撃」に、話は進むのであった。

井>
ただ、あの、いや、内部事情のことは分かりません。一般的にこちらの、あくまで感情論ですよ。として申し上げると
佐>
指摘が遅いっていうこと
井>
ま、それもありますね。その挙句に、ペナルティを課せられるのはたまらんぞ、というのは、当然、こちらの感情としてはあるわけですね。これは、愚痴だと思って聞き流していただいていいです
佐>
それは、心情的にはわかります。あのー、なぜそういうことが、あの、ペナルティがかかるかというのは、正しく申告してる方もいらっしゃるわけですよね。そういう人との差が、そこで出るわけですね。
その、あのー、増えた税金が、意図的に、あのー、誤魔化してたんで増えたのか、とか、または単純な計算ミスなのか、後は、その、税法の解釈違いだとか、いろいろあるわけですよね。それによって、この、あのー、正しく申告していた人は、3 月 15 日までに納めている。そういう方たちとの差を、付ける必要があるわけですね。そのー、間違ってる場合の納める税金のね。それが、ペナルティという形に変わってくると
井>
ただ、それならそれでね、いつからどういう扱いになったのかとかいう内部事情は知りませんけど、もっと、あの、はっきり「指導」を、というか、「通達」でも、紙 1 枚でも何でもいいんですよ。何か、そういう指導があってもよかったんじゃないの、とは思いますね。いや、愚痴ですよ
佐>
うん。それはね…
井>
会社を通してでも何でもいいんですよ
佐>
それはね、よくいわれますけど…
井>
で、いわないでおいて「おまえ、これは違うだろう」ってペナルティ食らうっていうのは、こういえば例えはよくないけれども、「何もしないから」といって部屋に連れ込んだ女性をレイプするようなもんじゃないですか
佐>

そ、そういう考え方も、まあ、よく、あの、指摘されるんですけどね、あのー、こちらとしては、公にされてる法律が元になってますから、「知らなかった」ということは、冷たいいい方ですけど、理由にはならない、と
どわっははは。焦ってる、焦ってる。
さっき、「法律に明記したものはない」といっておきながら、今度は「公にされてる法律が元になってますから」とは矛盾の極みなり !

だいたい、この論法でいくと、「痴漢に注意」という看板さえ出しておけば、そこで実際に痴漢の被害に遭ったとしても、それは看板を見ていない、注意していない被害者の方が悪い、という話になってしまうのだ。そういうのって、あり?

まあ、税務署としては、後から寝込みを襲った方が "実入り" が多いわけだから、事前にちゃんと告知する、なんてのはやりたくないでしょうな。

井>
ただ、あのー、先ほどの話だと、あの、「明文化された規定はないけれども、労働の対価だから給与だろう、と当局が解釈しておる、っていう話ですよね。で、私のさっきの話だけれども、これが本当かどうか分からないけれども、まあ、過去に「一時」としていたという時期もあったと。ということは、どこかでそういう transition があったわけでしょう。ということは…
佐>
んー、それ、それは、逆に分かりませんけどね
井>
まあ、ひとつの possibility としてね。ということは、仮にそういう事実があったとすると、少なくとも、「変更がありましたよ」ということを、何らかの形でね…
佐>
それは、そうしなくちゃいけないですね。だから、そういう「法律がこういう風に変わったから」というのは、一応、あのー、手順としては、あのー、官報、あれに載っかるわけですね。で、それで、あの、官報に載った以上は、知らなかったという口実にはならないわけ。もう、公布されたわけですから
しかし、条文の変化ならともかく、条文の「解釈」の変化まで、いちいち官報には載らないであろう。
佐>
井上さんが、その、会社で出されてる、あのー、メールですか
井>
はあ
人のいったことはちゃんと覚えてろ ! それでもプロか !
佐>
メールか何かで読まれたって、さっき、おっしゃいましたね
井>
Web に書いてあったって奴ですね
佐>
「『一時』でいいじゃないか」っていう文面を読まれたという…
井>
「いいじゃないか」っていったら、まあ、語弊がありますけどね
佐>
「『一時』で申告をすればいい」っていう、内容で書いてあったわけですよね
井>
そういうことです
佐>
で、その時点で、井上さんは会社で、そういうことを、あのー、ホームページで、あのー、表現しているんであれば、「一時」でいい、という判断をされたわけですけども、その時点でもし、先ほどのようにね、あのー、変わってるんであれば、その、公にする手立てをとればいいじゃないか、ということですよね
井>
そういうことです
佐>
そうすると、こちらとしての対応としては、あのー、ま、先ほど申し上げたように、国税庁のホームページがあるし、税務相談室っていうのもあるし、それから、「タックスアンサー」っていう、電話で答える、FAX で答えるのもあるし、そういうのを利用していただくしか、こちらとしては、ないわけですね
井>
ま、要するに、かかる関連企業に対して、当局から何か、「こういう変更があったから、こうしなさい」という御指導をいただくということは存在しなくて、ま、当事者があくまでアプローチしてきなさい、ということですね
佐>
そのー、会社でね、こういうのがあるということは、その時点では分からない訳ですか
井>
しかし、しかしですよ。あのー、別に MSKK に限ったことじゃないけども、こういう、あのー、プランが存在したのは、別にここ 3 年・4 年の話じゃないはずなんですね。「マイクロソフト株式会社」は、できてもう 14 年経つし、まあ、本社の方も 25 年経っている、ということはね…
佐>
それを会社からね、逆に、あの、まあ、国税庁なり国税局に、「こういう場合はどう扱うんだ」という、その、質問状が来る場合はありますよね。その場合は、国税局長なり、国税庁長官の名前で、回答します。だから、個々の会社に対して「他社の場合はこういう事例があるようだけれども、これで申告しなさい」というような、手立てはないと思うんですよね
この発言が事実だとしたら、とんでもない怠慢ではないか。後から納税者を陥れてドボンするのは仕事だが、間違わないように事前に導くことはしない、という意味じゃないの。正しい徴税が行われるように国民を適切に指導するのも、税務に携わる公務員の仕事なんじゃないの !?
佐>
それが、全社員に共通するものかもわからない状態でしょ?
井>
ただまあ、会社としては、当然知ってると思うんですよね。推薦状は書いてるわけだから。で、あのー、東京国税局の管内でね、「マイクロソフト株式会社」って書かれた源泉徴収票と、「一時所得なんぼ」って書かれた確定申告書が提出されるっていう事態は、ここ 2 年・3 年に限ったことじゃなかったと思うんですよ
佐>
マイクロソフト社以外にも、申告はありますからね
井>
で、それに関する当局の認識がどうなのかな、っていうのは、ちょっと、気になるところではありますけどね
佐>
それは、個別に申告されてる分について、ストックオプションだということを確認して、税務署からね、全部の税務署から、全国になりますね。全国の税務署に、マイクロソフト社の、そういう申告書を全部拾い上げなさいというような、ことは、指示はないわけです。そういうことは、その、個々の申告の内容を、統一的に、ピックアップするというようなことはないわけですね。先ほどのように、内容が違うもの、あるわけですから。これを一律、あのー「一時所得で申告したものを全部拾い出しなさい」っていうことは、ないわけですね
この発言は、後で過去のニュースを当たったときに発見した、日本経済新聞 (2000 年 2 月 8 日) の「東京国税局が一斉に税務調査に乗り出していることが分かった」という報道とは矛盾するぞ ! 日経はウソを書いたのか !? もしウソを書いたのなら、どうして国税庁は日経に抗議しない !?
井>
そういうことは、普通やらない
佐>
はい。だから、井上さんの場合にも、申告してあるけれども、その、計算過程を見ると、会社がね、「マイクロソフト社」と書いてあるだけで、ここには何も表示がなくて、これにかかる資料も付いてないわけですから、それを、その、マイクロソフト社からのストック、ストックオプションだというような、判断は、しないわけ。できないわけですよ。本人に聞かなければ。で、それを横並びにね、全部拾い上げるということは、まず、それは類推することの拡大解釈になっちゃう
井>
ま、そういうことですね
佐>
そういう、あのー、拡大解釈をするということは、我々、できませんのでね。仮定して呼ぶ、こういう葉書を差し上げるわけにはいきません。実質的に申告が入ってて、前に、電話で、あのー、内容を知りたいということで、連絡してるから、連絡くださいっていうことで、この、葉書を差し上げたわけです
井>
しかしまあ、多分、これ、答えが返ってこられる内容のものかどうかわかんないですけれども、あのー、「電話をかける」っていうことは、何がしかの trigger があった訳でしょう
佐>
(苦笑) いや、だから、だから、何も書いてないから、っていうことです。ここに、何も書いてないから、この内訳、何なんだろうかと。で、まあ、こちらの会社はね、去年、まあ、去年・一昨年あたりから、そういう権利を付与した方が、申告されてる分が見受けられるんで、該当するのかどうかっていうことが、井上さんに連絡したきっかけですよね
しかし、申告書にしかるべき資料が添付されていれば、調査を飛び越して、一足飛びに「修正申告」を迫るのがオチであろう。これは、「もし資料を隠し持ってるんなら、甘言を弄して出させよう」という目的のレトリックではないかと思う。

だいたい、この発言には矛盾がある。先に「個々の申告の内容を、統一的に、ピックアップするというようなことはない」といっておきながら、その舌の根も乾かないうちに「そういう権利を付与した方が、申告されてる分が見受けられるんで」(つまり、なにがしかの基準をもって、申告書を統一的にピックアップしたわけだ) ときたものだ。もう支離滅裂もいいところ。

井>
で、まあ、それはさっき出てきた、その、タイムラグの話で、リアルタイムでチェックしてる訳じゃないから、後になって火がつく可能性もあるよ、と。そういう話なんですね
佐>
それで、まあ、9 年分から 11 年分っていうのは、ま、あのー、もっと早くね、9 年分は 10 年の 3 月以降に、あのー、こういう葉書を差し上げて確認すれば、済んだのか分かりませんけども、この申告に書いてある内容では、これが間違いだという判断はできないわけですね
井>
これだけでは、できないっていうことですね
佐>
こういう内容のものが全部揃っててね、あのー、「一時所得」で申告されてれば、これは間違いです、っていう判断はできるでしょうけども
つまり、「本来なら間違いだという判断ができなかったものが、ある日突然、間違いだと判断できるようになったから、疑わしい相手に電話した」というわけだ。天啓なのか何なのか、実に都合よく気が付いたものである。
いや、すばらしい才能だ。さすが、世界に冠たる日本の優秀なお役人は違う。
井>
しかしですね、あのー、いや、これは「重箱の隅」だけども、私の記憶が確かならですね。4 月に確か電話がかかってきたとき、私、同じ趣旨の話、したわけですよ。まあ、ストックオプションの行使で得たものではあるけれども、まあ、「資料が何かあるか?」っていうから、ない、と。
という風に申し上げたらですね、「だったら、アメリカの証券会社まで調べに行くわけにもいかないから、全額、給与とみなして更正します」っていわれたんですよ。それについてはどうなんですか。なんか、今のお話と、ちょいと矛盾があるように見受けられるんですけど
佐>
「更正します」っていうのは、あのー、なんていったらいいのかな…
ははは、苦しんでる、苦しんでる。
井>
「あんたの税額、本当はこうでしょ」って処分することですよね、下世話ないい方をすると
どうして、一納税者が本職の税務署員に向かって、税務署用語の解説をしなきゃいかんのだ !
佐>
「給与である」っていうことが、ま、想定されたわけでしょ、そのときに
井>
まあ、「当局はそう思っている」ということですね
佐>
だから、あのー、何も書いてないけれども、ストックオプションであれば、「給与」に該当するものの他には「譲渡」しかないわけですから、ここに「必要経費」として、譲渡、「株の取得費」がないわけですよね。ということは、利益だけの申告ですから、給与に該当するという判断をしたと思うんですよね、その時点で。あのー、株式の売買であれば、必要経費に必ず「取得費の控除」が出てくるわけですから。
ですから、「給与である」ということを、こちらとしては、認定してるんで、「更正します」という話をしたんじゃないかと、ま、そのとき私が電話したわけじゃないんでね、あの、話をしたと思うんですね
いやあ、なんとも苦しい。「更正します」と宣告したことに対する言い訳になってない。「更正される可能性があります」じゃないんだから。
自分の発言じゃないのをいいことに、とぼける、とぼける。
佐>
で… この… 「書類があれば連絡してほしい」ということのままになってたようなんで、私の方で、今日、再度話をしたいということで、葉書を差し上げた、っていうのが経緯です
井>
まあ、「更正します」っていうからには、まあ、こっちは当然、処分の通知が来るんだろうと思ってたんですけどもね。「します」って、はっきりいい切られましたからね
佐>
「来られないんであれば」っていうことが…
井>
いえいえ、何の、何の条件も付かないです。ただ単に、「あ、そういうことだったら更正します」という話だったんです。いや、これ、あのー、「いった、いわない」になっちゃいますけどね。別に、そのときは電話の会話、録音してたわけじゃないから
佐>

ま、あのー、裏付けが取れなければ、税務署は更正するっていうことは、まず不可能ですわね
井>
ほう
てことは、実際にできるかどうかも調べずに、その場のアドリブで、実は実行不可能なことを「やる」と宣告したわけだ。税務署の皆さん、あなたがた、それでもプロか !?

ところで、他の税務署に追及された皆さん。皆さんは、修正申告に応じずにいたら、頭ごなしに更正されませんでしたか?

佐>
何も、何もないで、この数字が果たして、あのー、預金に入ってるのかどうかも分からない状態で、えー、もし「株の取得」だったらば、その、更正処分そのものが、間違いでしょ?
俺に聞くな ! 税金の専門家はそっちだ !
佐>
「一時所得」で申告してるけれども、実際には「譲渡」だったということも、もし、あったとすれば、その更正処分は誤りですから、その、井上さんの方の申告が正しかったということになるかどうか、「一時」がいいのか「譲渡」がいいのか分かりませんけども、そういう、あの、内容も調べないうちに、更正しますってことは、まず、ないわけですね
井>
とすると、あれは単なる「勇み足」というか (笑)
佐>
だから、「売り言葉に買い言葉」になったのかな、というような気も…
井>
そんなに私、喧嘩を売った記憶ないんですけど、それはちょっと、失敬な (怒)
佐>
いやいや、その、あの、どういう話の、あのー、やり取りだったか、私、聞いてないんで、あのー、「更正します」っていう風にいったということは、ちょっと、記録に残ってないんでね
問題は、「記録が存在しない」のか、それとも「記録は存在したが破棄・隠滅された」のか、はたまた「記録は存在するが、外向けにはないことになっている」のか、そのいずれが真実であるかということだ。
井>
こちらにも、残念ながら残ってません。あったら、聞かせて差し上げたいところですが (笑)
佐>
だから、こういう内容を確認できなければ、あのー、給与所得になるということの判断は、ま、現状では、あのー、できないだろうけれども、今のお話からすると、一時所得じゃなくて、給与か、譲渡となるでしょう、と。
で、譲渡になるんであれば、一度引き取ってるのかどうかが、問題になってくるわけですね。だから、井上さんの今までの話からいくと、そのー、書類は揃ってないですけども、給与所得に該当するんじゃないかという、感じがしますね
井>
というレベルの話な訳ですね
佐>
だから、それを裏付けるための資料として、これがあれば、はっきりしたことを申し上げられます、と
要するに、最初から結論は決まっていて、ただ単に、証拠がないからできない、処分できるものならやりたい、ということなのだ。
佐>
今の、全体のお話から総合すると、給与所得になるんじゃないのか、というのが、私の、今の、あのー、総体的な、結論です
井>
そうですか
話を聞かなくたって、結論は同じだったろうに !
佐>
だから、「更正します」っていうことは、私の方ではいえませんし、いえる状態じゃないんで、前のときにはどういう過程だったのか分かりませんけども、あのー、その話は… 当事者に聞いてみます
井>
そうですか。そうしてください
どうせ「俺はそんなこといってない」と否定されるのがオチだと思うけどね…
佐>
ま、何か理由があったんでしょうけどもね。そういう風にいった理由が
井>
理由もなしにいったら、怒りますよ (笑)
佐>
だから、井上さんの方では、手元にもう何もないということで、その電話のときには話、されたんですか
井>
まあ、訊かれて「ありますか」というから「ない」と、いう風に申し上げたんですね
佐>
そしたら、「更正する」という話になったという…
井>
ええ。もう、速攻で response されました
佐>
ふーん…
井>
といっても、水掛け論ですけどね。「いった、いわない」の
佐>
それを、問題にしてるという意味でお伺いしてるんじゃないですけどもね
井>
ええ。こちらとしても、「こんな風にいわれたけど、どないなってんねん」という以上の話じゃないですから。現に、処分の通知はうちに来てないわけで
佐>
だから、言葉のやり取りで、その、訊いた者が何か勘違いしていったのか、井上さんの方で書類がなければ、こちらで探しますよっていう風な説明をしたのかどうか分かりませんけどね。「探した上で、更正します」っていう話になったのか
井>
「探した上で、更正します」じゃなかったと…
佐>
税務署の方で…
井>
ええ。「アメリカの証券会社までいちいち調べに行くわけにいかないから、給与とみなして更正します」っていわれたように、私は記憶しております
ったく、何が「勘違い」だ。往生際が悪いぞ。素直に認めなさい。

物証もないし、現時点では法的に問題にするつもりはないけれど、実際にはできないことを「やる」といって納税者を嚇かして結果を引き出そうとしたわけだから、少なくとも「税務署員はウソツキだ」ということの、ひとつの傍証にはなるのである。

佐>
証券会社はアメリカなんですか?
井>
アメリカの株式ですから (笑)
佐>
いや、あのー、こっちに子会社が、子会社があって、そこの証券会社とかいうことじゃなくて、アメリカ本土の証券会社…
井>
本社の株ですからねえ。向こうで transaction は発生するわけで、当然、アメリカの…
佐>
証券会社の名前は分からない?
井>
どうだったかなあ… 「紙」が出てくれば分かります
佐>
いや、思い出せないならいいです


そもそも、いかなる根拠をもって、ストックオプションを「労働の対価」と認定したのかという説明はビタ 1 ビットもなかったし、過去の所得認定の経緯についても逃げるばかり。自称 "正義の味方" の (?) 税務署員の正体とは、所詮はこの程度のものか。


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